J-POPはなぜ刺さらないのか

こんにちは、今日は「J-POPはなぜ刺さらないのか?」 というテーマでお話ししますね。

今の日本の音楽市場を見ていると、 少し不思議な共通点に気づくんです。 それは、多くの人気アーティストやユニットが、 音楽そのものよりも 人物や推し活という文脈で 支持されている、ということです。

最近のJ-POPアーティストたちは、 たとえバンドであったり、歌唱力が高くても、 その本質は、アイドル的な支持のされ方をしているように感じます。 ファンの方々は曲を聴くだけではなく、 推しの物語やキャラクター、世界観に共感し、 それを「応援」することを楽しんでいるのです。

この推し活とJ-POPの構造は、 実は昔から日本に根づいてきた 歌謡曲とアイドル文化の延長線上にあるものなんですよ。

戦後の歌謡曲は、 スター歌手を「国民の語り部」のように仕立て上げ、 テレビやラジオを通じて家庭に入り込んできました。 そして1980年代には、松田聖子や中森明菜のようなアイドルが登場し、 応援される存在としての音楽が確立されました。 モーニング娘。、AKB48、坂道グループ、 さらにはVtuberや歌い手、ボカロ文化まで…… 人物性を中心に支持される音楽文化は、 メディアとともに変化を続けながら、 現在のJ-POPへとつながっています。

つまり、J-POPという言葉は、 歌謡曲の現代版”にすぎないと言えるかもしれませんね。

この構造は、日本特有のものです。 だからこそ、ここから生まれたアーティストや楽曲が、 海外でなかなか通用しないのも無理はありません。 欧米の音楽文化は、自己表現や社会との対話を重視し、 音楽そのものが中心にある世界です。 日本では、まず推しがいて、 その推しがリリースした曲を必ず聴こう というリスニングスタイルがあるのです。

そしてもう一つ、こうしたJ-POPの構造が、 ある世代の人たちに刺さらない理由があります。 それが、1970年代から90年代にかけて青春を過ごした洋楽世代です。 彼らは、当時の邦楽を古くさくてダサい歌謡曲と感じ、 ロックやソウル、R&Bといった 洋楽にこそ本物の音楽を見出してきた世代です。 その耳からすると、今のJ-POPは、 どんなに見た目が変わっていても、 どこかで 懐かしくてダサい、あの歌謡曲の匂いがしてしまうんですね。 だから、 聴きたいとは思えない。共感できない。 という文化的な壁が存在するのです。

名前が変わっても、構造が変わっても、本質が変わっていない。 それが、J-POPがJ-POPである理由であり、 ある世代から拒絶される理由でもあります。

確かに、流行りのJ-POPはアイドルばかりではありませんが、 バンドやシンガーソングライターなどのアーティストも数多く存在します。 でも、そうしたバンドやシンガーも、 旧来の歌謡曲やアイドル文化の延長線でしかなく、 楽曲の構成や歌詞の内容、その人気に至る流れも 推し活無くしては語れないのです。

ある世代にとって、 J-POPが似たり寄ったりで新しさも際立った個性も感じられないのは、 そうした歌謡曲のDNAをJ-POPに感じてしまうからなのかもしれませんね。

というわけで、今日のコラムはここまで。 あなたは、J-POPをどう聴いていますか? それでは、また次回のコラムでお会いしましょう。

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