皆さん、こんにちは。 今日は、音楽CDとストリーミングサービスの収益について お話ししてみたいと思います。 海外から日本の良質な中古レコードを購入しに来る 音楽ファンやマニアがいることはよく知られていますが、 実は音楽CDを購入する観光客も少なくないのです。
商業音楽の中心である欧米では、 街角のレコード店や音楽CDショップが次々と姿を消し、 ストリーミングによる音楽消費が当たり前になっています。 ネットショッピングで音楽CDを購入することは可能ですが、 一般的には音楽CDを手に入れることは稀になっています。
日本でもストリーミングが音楽産業の中心になりつつありますが、 推し活などの独自の文化によって、 音楽CDが今でも販売されているのは特別なことです。 2000年までは音楽CDの販売が音楽産業の中心でしたが、 現在はその構造が大きく変わっています。
当時は、音楽CDの売上がミュージシャンの収入源であり、 コンサートやツアー、テレビラジオでの演奏は、 CDを売るためのプロモーションと捉えられていました。 潤沢な資金で豪華なコンサートが開催され、 映画並みの製作費をかけたミュージックビデオも作られていたのです。
しかし、今ではストリーミングのサブスクリプションが中心となり、 シングルの再生単価は0.27円。1000回再生されても、わずか270円にしかなりません。 音楽CDなら一回聴いても、何度聴いても値段は同じですが、 ストリーミングでは再生回数が重要です。
つまり、シングルCD一枚と同じ収益を得るには、 7万回以上の再生が必要になります。 年間を通じて毎日205回再生されてやっと、 音楽CD1000枚分の収入を確保できるのです。
さて、もしあなたがミュージシャンやマネージャーだとしたら、 音楽CDを1000枚売るのと、ストリーミングで毎日205回再生してもらうのと、 どちらが確実かつ効率的だと思いますか?
こうした背景から、音楽業界の収益システムは大きく変化しました。 音楽を聴いてもらうことだけでは、 充分な利益が得られないという厳しい状況が続いています。
次回は、音楽そのもので儲からない現在、 音楽業界がどうやって利益を得ているのかについてお話ししたいと思います。 それでは、また次回お会いしましょう。